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F-12 次世代FPD技術フォーラム 日・英
終了

機器を変身させる,次世代FPD技術を探求
~酸化物半導体,有機EL,フレキシブル,4原色の可能性を探る~

日時:11月10日(水) 9:30~16:00

(休憩 12:00~13:30)

会場:アパホテル 第2会場

次世代FPDの研究開発が加速している。大型テレビ向けで有機ELパネル開発が再始動しているほか,曲がるディスプレイや,LEDに替わる高精細の大型映像装置の開発競争に拍車がかかっている。画質の高さや,機器の新たな利用形態を生み出すインパクトの大きさから,既存のディスプレイの勢力図を塗り替える可能性を秘めた新技術といえる。本フォーラムでは,まず,有機ELパネルの大画面化のカギを握る材料「酸化物半導体」の実用化につながる技術について,ソニー,Samsung Electronics Co., Ltd.,AU Optronics Corp.という日本・韓国・台湾を代表する3社の講師が講演する。さらに,ペンに巻き取れる有機ELや,有機EL発光素子を使った155型の大型映像装置など,話題の新技術について第一線のエンジニアが解説する。

  • 荒井 俊明

    ソニーの有機ELディスプレイ向け高信頼性酸化物TFT技術

    ソニー

    荒井 俊明

    1990年より日本アイ・ビー・エムにて液晶ディスプレイ向けTFTの技術開発に従事。

    2004年よりソニーにて有機EL向けTFT開発に従事。

    2007年に固体レーザーを利用した大型有機EL向けマイクロクリスタルシリコン技術を発表。

    2010年に有機EL向け、高信頼性を確保した酸化物半導体技術を発表。

    有機ELディスプレイに要求されるTFT特性について紹介し、アモルファスシリコンTFTや低温ポリシリコンTFTに対する酸化物TFTの優位性と課題について議論する。最も大きな課題であったTFTの信頼性に対しては、ソニーで開発した高信頼性技術を紹介し、バイアス・熱・湿度・光に対する不安定性については解消しつつあることを解説。R&Dフェーズのみの検討から生産技術フェーズの検討が必要な時期に来ていることを論じる。

  • Hsing-Hung Hsieh

    次世代型フラットパネルディスプレイ向け酸化物TFTの開発

    AU Optronics Corp.

    Hsing-Hung Hsieh

    2001年、国立台湾大学の電気工学科で理学士号を取得。2003年には同大学の電気工学科で理学修士号、2008年には博士号を取得している。2003年以降、酸化物エレクトロニクスの研究に従事。主な研究テーマは、薄膜トランジスタなどの電子デバイス向け酸化物半導体、およびフラットパネルディスプレイ、透明/フレキシブルエレクトロニクスへの応用。現在、台湾のAU Optronics CorporationのOLEDテクノロジー事業部でマネージャーを務める。酸化物TFTや様々な再結晶化技術を採用したAMOLEDアプリケーション向けのLTPS TFTを含む新しいTFTテクノロジーの開発にチーム全体で取り組んでいる。

    OLEDは、ランバート自己発光、高輝度効率、薄型で軽量、鮮明で広い色範囲など、多彩な魅力を備えている。同様にアクティブマトリックス有機ELディスプレイ(AMOLED)は、近い将来、フラットパネルディスプレイ(FPD)業界を独占すると見られている。しかし、OLEDの電流駆動原理により、薄膜トランジスタ(TFT)の駆動には厳しい条件がつきつけられている。一方、酸化物半導体をベースにしたTFTには、ハイモビリティ、優れた統一性、適度な安定性などAMOLEDの条件を満たすと考えられる利点があり、幅広い調査が行われてきた。本プレゼンテーションでは、まず、酸化物TFTの背景と世界の現状を紹介する。次に、インジウムガリウム亜鉛複合酸化物(IGZO)をベースとした酸化物TFTの展開と性能について説明する。最後に、小型AMOLEDから大型AMLCDまで、FPDへの応用についてデモ実演を行い、次世代型FPDの可能性と実現性を示す。

  • Jun H. Souk

    次世代FPDに向けた酸化物TFT技術

    Samsung Electronics Co., Ltd.

    Jun H. Souk

    Jun Souk は、Samsung ElectronicsのLCD部門のシニアアドバイザーである。2008年まで、Display R&D Centerの取締役副社長を務め、LCD、および今後のディスプレイ技術の技術/製品開発をリードした。 IBM リサーチセンターにおける初期のTFT-LCD研究からSamsung ElectronicsのLCD-TVテクノロジー開発における先駆者的研究まで、ディスプレイ分野で25年以上の活躍を続けている。ディスプレイ技術への貢献が広く認められ、韓国のNAE( National Academy of Engineering)のSIDフェロー/メンバーに選ばれた。 国際会議の講演者として招待された回数は50回を超え、70種類以上の文献を執筆、または共同執筆している。

    フラットパネルディスプレイ(主にLCD-TV)は、大画面、高解像度、高フレームレートで臨場感のあるリアルな画像を実現する次世代型FPDへ進化している。混線がなく、自動ステレオスコピックの3D TVを可能にするため、3D ディスプレイでも高いフレームレートが求められている。この次世代型FPDを実現するには、切り替え速度と信頼性の高い実用的な半導体材料が必要である。プレゼンテーションでは、次世代型ディスプレイを駆動する高速TFTのパフォーマンス基準を紹介する。酸化TFTの現状と優位性(競争力)、そして現在のディスプレイ業界における開発の取り組みを説明する。

  • 吉田 育弘

    多原色ディスプレイの最新技術

    シャープ

    吉田 育弘

    1986年シャープ株式会入社、以来一貫して、画像、映像に関連した研究開発に従事している。特に、1999年以降は、西澤研究所、先端映像技術研究所、ディスプレイシステム研究所などで、薄型テレビの品質向上にかかわる研究開発に従事している。これらの研究成果により、2002年5月に、SID International Symposium にて、The Best Poster Paper Award受賞。また2007年12月には、第4回映像情報メディア学会船井技術賞を受賞。工学博士(北海道大学)。現在、研究開発本部、ディスプレイシステム研究所、副所長。電子情報通信学会、映像情報メディア学会等会員

    多原色ディスプレイ技術は、世の中に存在するほぼ全ての物体色が表示可能な広色域の実現だけではなく、数々の側面からディスプレイのあるべき姿を追求した、全く新しい液晶パネルである。主な特長として、従来の3原色ディスプレイでは不可能であった忠実な色再現性、多原色技術固有である色の冗長性を使った視野角特性改善、高解像度表示、低消費電力等のパネル性能向上技術を備える。これらについて概説し、最近商品化した4原色ディスプレイの特長や位置づけを明確にする。また、多原色システムという新基軸における今後の展望を紹介する。

  • 原 善一郎

    有機EL方式スケーラブルディスプレイの開発

    三菱電機

    原 善一郎

    1981年,九州大学大学院電気工学専攻修士課程修了

    同年,三菱電機(株)に入社 以来,大画面ディスプレイの開発に従事

    現在,同映像情報システム部主席技師長 工学博士

    世界初の有機EL方式スケーラブルディスプレイを開発した。本開発は、有機EL技術と大型表示装置「オーロラビジョン」の開発で蓄積された平面ディスプレイの目地レス配列に必要な設計ノウハウの融合による。まず、平面ディスプレイの目地レス配列を実現するための取り組み事例を紹介し、今回採用した有機ELパネル設計の概要を説明する。次に新開発のディスプレイの構成要素と開発経緯および155型ディスプレイの概要を紹介する。開発のコンセプトは、デザインフリーであり、有機ELパネルの目地レス配列によって任意のディスプレイサイズを構築できる。高画質、特に高コントラストは、様々な分野での活用が期待される。

  • 野田 真

    有機TFT駆動ローラブル有機ELディスプレイの開発

    ソニー

    野田 真

    1998年に大阪大学大学院修士課程を卒業。同年ソニーに入社。2006年より有機TFT駆動フレキシブル有機ELディスプレイの開発に従事。現在に至る。

    有機TFTは180℃以下の低温プロセスでフレキシブル基板上に回路を形成することが可能なため、フレキシブルディスプレイのバックプレーンとしての応用に注目が集まっている。我々は、高性能独自開発有機半導体材料であるPXX誘導体を用いて、ゲートドライバを搭載した有機TFTバックプレーンを開発した。

    この有機TFTバックプレーンと高画質・低消費電力な表示素子である有機ELを集積することで有機TFT駆動ローラブル有機ELディスプレイを実現した。厚みが80mmの本ディスプレイでは、曲率半径4mmに巻き取ることが可能であり、1,000回の巻取りをおこなっても、欠陥を生じることなく動作した。本講演では、この有機TFT駆動ローラブル有機ELディスプレイのための有機TFT集積化技術と、その特性を中心に紹介する。

  • 服部 励治

    国際学会に見る新規ディスプレイの将来

    九州大学

    服部 励治

    1988年3月大阪大学大学院工学研究科電気工学専攻前期課程修了.1989年9月、大阪大学助手、1997年4月、九州大学大学院システム情報科学研究院電子デバイス工学部門助教授、2010年8月同大学産学連携センター教授.工学博士.有機ELディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネルなどの新規ディスプレイ技術開発の研究に従事.SID,IEEE,電子情報通信学会,応用物理学会,有機EL討論会,各会員、電子情報通信学会電子ディスプレイ研究会副委員長、IDW’10プログラム委員長.Distinguished Paper of SID’04 受賞

    ディスプレイ技術に関する数多くの国際学会において、毎年、絶え間なく新しい技術が発表されている。しかし、それら技術の中で実際に製品に用いられるものは極僅かであり、その多くは、折角、研究・開発を行っても日の目を見ずに終わってしまう。その反対に、学会で全く取り上げられてなかった技術・分野が突然、製品となって表れることもある。講演では、近年のSID、IDW、IMIDなどの国際学会における発表動向の変化や傾向を紹介し、新技術の市場の現状との差や将来を考えたい。

同時開催: Green Device 2010

基調講演

FPD International フォーラム 2010

Green Device フォーラム 2010