スマートシティ 関連コラム

2012年8月23日

【クラウドが支えるスマートシティ】スマートシティ実現に欠かせないIT

宇都 正哲、木村 淳、高橋 睦/野村総合研究所
出典:ITpro Magazine 2010年秋号  pp.12-21
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

都市の効率向上にITが不可欠

 新興国、先進国を問わず、効率の高い都市を実現するためには、ITが欠かせない要素になる。世界各地において、ITは都市マネジメントを実現するためのツールに位置付けられ、“スマートシティ”とも呼ばれるようになっている。その一例に、米IBMがマルタ島で展開する実証実験がある(図3)。

図3●マルタ島におけるスマートグリッド導入プロジェクトの背景と狙い

 マルタ島は、イタリアのシチリア島の南に隣接する独立国家(マルタ共和国)だ。面積は、東京23区の約半分に当たる約316平方キロで、そこに約40万人が暮らす。水やエネルギー問題を抱え、特に水不足は深刻だ。イタリアから水を輸入しつつ、海水淡水化プラントを世界で先駆けて建設している。

 同島での実証実験では、スマートメーターや顧客情報システムなどを導入し、これらを社会インフラの効率的なマネジメントに適用した。水と電力の効率的なマネジメントスタイルを構築することで、エネルギー消費を抑制するとともに、インフラ投資における財政負担の軽減といった“実益”を生むことを目指している。

 マルタ島のケースに見られるように、スマートシティにおいてITが果たすべき役割はいくつかある。その一つが、エネルギーや資源を最適配分することだ。電力や水などの利用状況をモニタリングし、供給を最適化する。

 例えば電力であれば、スマートメーターで検知した利用状況に応じて、電力会社や建物ごとに設置されている太陽電池あるいは蓄電池などからの供給を最適に制御することで、都市全体のエネルギー効率を高めていく。

 需要そのものをコントロールすることも可能になる。インフラの混雑状況を検知し、需要を抑制したり誘導したりする。その代表例がカーナビゲーションやロードプライシング(道路課金)といった仕組みだ。

 利用状況を把握するためには都市活動そのものをセンシング(観測・感知)する必要がある。そのためのセンシングネットワークの構築が求められる。センシングネットワークで得られる情報を活用し、新たなサービスを実現したり都市の課題を解決したりすることで、QOLを高めるための取り組みが期待される。

宇都 正哲
野村総合研究所 社会システムコンサルティング部 社会システムコンサルティング室長 上級コンサルタント

木村 淳
野村総合研究所 社会システムコンサルティング部 IT社会システムコンサルティング室長 上級コンサルタント

高橋 睦
野村総合研究所 社会システムコンサルティング部 社会システムコンサルティング室 副主任コンサルタント

一覧へ戻る

メディアパートナー

  • FT
  • Bloomberg Businessweek
  • 人民網
  • 能源網
  • 環球雑誌社(新華社)
  • 瞭望周刊社(新華社)
  • サイゴンタイムズ

Platinumスポンサー

Goldスポンサー

Silverスポンサー

Bronzeスポンサー