スマートシティ 関連コラム

2012年8月28日

【そもそもから考えるエネルギー論】
「原発はダメ、自然エネ拡大まで天然ガス」では解決しない

大場 紀章
出典:日経ビジネスオンライン 2012年2月28日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

2020年ごろには石油生産が減退し始める

 実は、たった数年間で、これまで「ピークオイル」論を批判してきた専門機関や石油会社の多くが、石油生産のピークが近いことに言及するようになりました。

 代表的なところでは2010年、国際エネルギー機関(IEA)が、「2006年に在来型石油生産はピークを過ぎた」「安い石油の時代は終わった」と、報告書の中で述べました。どうやら、キャンベル氏の予想は結果的にかなり正しかったことになりそうです。

 ほかにも、世界的な石油企業(ロイヤル・ダッチ・シェル、シェブロン、トタル、スタットオイル、ヘスオイルなど)に加え、英国政府、フランス首相、ニュージーランド政府、EC(欧州委員会)、IMF(国際通貨基金)、IRENA(国際再生可能エネルギー機関)などの政府または国際機関、さらには各国の軍部(米国国防総省、ドイツ軍シンクタンク、カナダ軍)、自動車会社(トヨタ、ボルボ)、金融業界・著名投資家(ドイツ銀行、加CIBC、マット・シモンズ氏、ブーン・ピケンズ氏)などが様々な形でピークオイルの危機を認識していることを明らかにしています。

 現在、石油楽観論を唱えるのは、OPEC(石油輸出国機構)、EIA(米国エネルギー情報局)、CERA(大手エネルギーコンサルタント)、BP、エクソンモービル、および日本の主流エネルギー専門家、の少数派・・・とすら言えるかもしれません。

 ピークの時期の予想については、以前はばらばらでしたが、最近では研究が進んで様々な予測手法が開発され、かなり集約されるようになってきました。様々な研究を総合すると、どうやら図4のようになるのではないかと我々は考えています。

 特に、2014年前後に需要が供給をオーバーシュートし、2020年頃には生産減退が始まるという点については、かなり確度が高いだろうと思われます。詳しい解説は、今後の連載の中で行なっていきたいと思います。

図4:様々な情報に基づく石油ピーク予測

 石油生産が減退すると、何が起こるのでしょうか。私はこの問題をずっと考え続けています。その影響の大きさは、脱原発や再生可能エネルギーの比ではなく、どう考えても明るい未来を描けそうにありません。この点が、最近のエネルギーの議論の前提で最も欠けていることではないかと思っています。石油生産の減退は20年、30年先の話ではなく、もう目の前の問題です。

一覧へ戻る

メディアパートナー

  • FT
  • Bloomberg Businessweek
  • 人民網
  • 能源網
  • 環球雑誌社(新華社)
  • 瞭望周刊社(新華社)
  • サイゴンタイムズ

Platinumスポンサー

Goldスポンサー

Silverスポンサー

Bronzeスポンサー