スマートシティ 関連コラム

2012年9月11日

【そもそもから考えるエネルギー論】
シェールガスに期待し過ぎてはいけない

大場 紀章
出典:日経ビジネスオンライン 2012年3月26日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 これらの案件が生まれてきた背景には、もともと米国LNGの輸出ではなく輸入増大をあてこんでLNG受入基地を建設した事業者が、シェールガス生産の拡大により輸入量が激減したため開店休業状態となり、やむなく液化設備を増設し、内外価格差を利用して輸出業者になろうとしている、という事情があります。

図2:北米LNG輸出案件
連邦エネルギー規制委員会の資料、各種報道より作成

 米国の認可とは別に、カナダにもいくつかのLNG輸出案件があります。しかし、コストなどの条件で米国案件には見劣りし、プロジェクトが生まれては消えています。また、カナダではオイルサンド(原油を含んだ砂岩)の生産のための安価な天然ガス供給確保が課題となっており、そちらへの供給と競合してしまうという別の問題があります。

米国ではLNGを輸出すべきかの議論に

 一方、日本ではあまり知られていませんが、米国では「そもそもLNGを輸出すべきかどうか」が議論されています。8つの輸出案件のなかでSabine Passしか輸出認可されていないのもそうした事情を反映しています。もし、輸出しても余りあるほどのシェールガスが生産されるのであれば、このような議論は発生しないはずです。裏を返せば、懸念材料があるということです。

 これまで、シェールガス生産量は順調に伸びてきましたが、必ずしもこの傾向が続くとは限りません。シェールガス生産の急増は、もともとは技術革新によるものですが、それ以外にも過剰期待によって産み出されたバブル的な過剰供給の側面が多分にあると指摘されています。1MMBtu(英国熱量単位)当たり2.3ドルという現在の価格水準は、シェールガス生産の採算分岐価格(4~7.5ドルと言われる)を大きく下回っており、ガス販売自体では採算が取れていないと考えられます。実際、2012年1月、シェールガス米国第2位のチェサピーク社はできるだけ早い時期までにガス生産量を16%削減すると発表、ほかにもコノコフィリップス社、BG社、エンカナ社などがシェールガス生産計画の縮小を相次いで発表しています。

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