スマートシティ 関連コラム

2012年9月20日

【決め手は位置情報】
キッカケはスマートフォン、位置情報利用の基盤が整う

河合 基伸、高橋 史忠=日経エレクトロニクス、Phil Keys=シリコンバレー支局
出典:日経エレクトロニクス 2011年3月7日号
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 技術進化の方向性は大きく二つある。一つは、ほとんど手付かずだった屋内や地下街での測位を容易にする技術開発だ。「利用者側はもちろん、店舗側の集客ツールとしても屋内測位のニーズは高いはず」。ナビゲーション・サービス大手のナビタイムジャパン 代表取締役社長の大西啓介氏は、こう期待を寄せる。カギは、携帯機器に搭載された各種センサや無線通信機能などをフル動員して、ユーザーの位置を把握する技術だ。

 もう一つの方向性は、屋外の測位精度を高める技術開発である。米国のGPSと他の衛星測位システム(GNSS:global navigation satellite system)を組み合わせることで、数~数十cm単位の精度を目指す。今後10年間ほどで打ち上げが期待される各国のGNSS衛星を連携させる動きが活発になりそうだ。これら二つの方向性の技術開発が本格化することで、屋外から屋内までシームレスに正確な位置を把握できるようになる。

ユーザーの状態を把握

 測位技術が発展すれば、将来は位置情報だけでなく、ユーザーのさまざまな活動状態を把握できるようになるだろう。実際にライブドアのWebサービス「ロケタッチ」では、位置だけでなく誰と会っているのかを登録できる機能の追加を検討している。

図3 位置情報とNFCを組み合わせる
ミクシィは、NFCを利用してチェックインするサービスを開始した。何らかの特典が付いたコンテンツの配信なども可能になるとする。

 この他に、例えば非接触ICカードを使った電子マネーと組み合わせれば、ユーザーの位置をピンポイントで把握すると同時に、何を買ったのかも分かる。まだ位置の登録だけに利用している段階だが、ミクシィは位置情報と近接無線通信規格「Near Field Communication」(NFC)を組み合わせてチェックインするサービスを開始した(図3)。NFCは電子マネー向けの世界標準である。位置情報サービスを組み合わせた応用が拡大していくだろう。

 位置を測定する各種センサに加えて、カメラやマイクといった複数のセンサを利用すれば、ユーザーがいつどこで誰と何をしているかといった推定も可能になるかもしれない。そうなれば、ユーザーの状況をWebサービスが判断して、最適な情報を自動で配信できるようになる。

 一個人の位置情報だけではなく、多くの人の位置情報を集めることで、集団としての振る舞いを捉えることも可能になる。時間ごとの人の分布を地図上に示せば、出店計画や街づくり、防災計画の立案などに生かせる。

“ロケハラ”を考える

 位置情報を取得する基盤となる技術が整備されていくことで、位置情報の活用は加速度的に進んでいくだろう。その一方で、ユーザーの間には、位置情報に関連したプライバシー面での懸念が広がっている。「セクハラの次は“ロケハラ(ロケーション・ハラスメント)”をどう防ぐかが今後の課題」と、慶応義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究科 准教授の神武直彦氏は指摘する。

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