スマートシティ 関連コラム

2012年10月2日

【クルマは電力インフラに】
第1回:狙うは電動車両の蓄電能力
2020年には原子力発電所128基分に

狩集 浩志=日経エレクトロニクス
出典:日経エレクトロニクス,2011年8月8日号,pp.50-51
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

自動車と電力をやりとり

 大手自動車部品メーカーであるドイツRobert Bosch社は、世界の自動車市場規模(6トン以下の車両)が2010年の年間7100万台から2020年には同約1億台に拡大するとみている(図2)。そのほとんどはエンジン搭載車になるとするものの、HEV市場は600万台規模に、EVとPHEV市場は300万台規模へと拡大すると予測する。

図2 新車市場は年間1億台へ
世界の新車市場は今後も成長し、2020年には年間1億台にほぼ達するする見通し。車種別の伸び率では、EVやPHEV、HEVが大きい。図はBosch社の資料を基に本誌が作成。

 300万台というと少なく感じるが、保有台数という観点で見れば、わずか3年で900万台、10年で3000万台の累計台数となり、これらの車両に搭載されている2次電池に蓄えられる容量は膨大なものになる。

 そうなると、こうした電動車両に用いる2次電池を利用するため、クルマと家、クルマと電力網を双方向でつないで電力をやりとりする「V2H(Vehicle to Home)」「V2G(Vehicle to Grid)」と呼ぶ構想が真実味を帯びてくる。もともとV2HやV2Gといった構想は、米国で次世代電力網「スマートグリッド」を構築する際に急浮上してきた話である。EVやPHEVが普及した場合、ユーザーは帰宅した後の夜間などに一斉に充電を始める可能性が高い。ただ、米国では電力網が老朽化しているところも多く、一斉充電に備えるには電柱にある変圧器の増設など非常にコストの掛かる対策が必要になるとされてきた。

 このコストを抑える方法として、車両への一斉充電ができるだけ起こらないように管理・制御することで、電力網に負担がかからないようにする技術が検討され始めた。しかし、せっかく充電を管理するのなら、電力網の電力が足りない場合や、発電量が大きく変動する風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーの電力を平準化する場合に、車両の2次電池を活用できないかという発想が、スマートグリッドの盛り上がりとともに生まれてきたのである。こうした構想は、電動車両の普及を目指す欧州や中国にも飛び火して、世界的に活発な議論が繰り広げられている。

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