スマートシティ 関連コラム

2012年10月23日

【そもそもから考えるエネルギー論】
「石炭は豊富にある」という常識が覆る

大場 紀章
出典:日経ビジネスオンライン 2012年5月28日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 みなさんは、石炭の可採年数(埋蔵量/年間生産量)は何年くらいあると思われるでしょうか。200年というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。確かに、2000年時点の統計では可採年数は227年でした。また、日本の石炭情報を一手に扱う財団法人石炭エネルギーセンター(JCOAL)のウェブサイトにある一般向け説明資料の中には193年と記載されています。私が検索した限り、193年という数字を今も引用されている文献はまだ多くあるように思われます。日本語版Wikipediaの石炭の項目では、「150年以上の埋蔵量」と記載されています。

状況は近年急激に悪化している

図3 各化石燃料の可採年数の推移
(BP統計より筆者作成)

 しかし、上述の近年の消費量の急増と埋蔵量の減少によって、可採年数は大きく変化しており、現在の値は118年(BP統計2011年版より)となっています(図3)。わずか10年あまりで可採年数が109年も減少してしまったとは、驚くべき変化です。多く見受けられた193年という数値は2003年時点での値で、翌年には164年となっています。これは全く意味のない分析ですが、この変化が続くと仮定して直線をひくと、2020年の手前で可採年数がゼロになってしまいます。

 可採年数という指標だけで語ることには、いろいろと問題が多いのですが、石油や天然ガスの可採掘年数がここ数十年ほとんど変化していないことと対比すると、石炭の状況が近年急激に悪化しているということは言えるかと思います。

 また、石炭は石油や天然ガスにも増して、その質の差が激しい資源の一つです。ですから、火力発電所を設計する場合は、通常どの産地のどの性状の石炭(およびいくつかの産地の混合物)を使うかを想定してボイラーの仕様を決めます。石炭の分類の仕方には様々あり、その境界線も国によって異なります。

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