スマートシティ 関連コラム

2012年10月23日

【そもそもから考えるエネルギー論】
「石炭は豊富にある」という常識が覆る

大場 紀章
出典:日経ビジネスオンライン 2012年5月28日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 IEAでは発熱量によって簡単な区分を行なっており、1キログラム当たり23.9メガジュール(1ジュールは約0.24カロリー)以上を無煙炭および瀝青炭(れきせいたん)、同17.4~23.9メガジュールを亜瀝青炭(あれきせいたん)、同17.4メガジュール以下を褐炭および亜炭と定義しています(厳密にはもう少し細かい条件があります)。

カロリーの低い石炭が増えていく

 問題となるのは、今後生産される石炭は徐々に熱量の低い亜瀝青炭や褐炭などの割合が増えていく傾向にあるということです。図4は米国の例ですが、既に生産量に占める亜瀝青炭や亜炭の割合が増加傾向にあり、全体の平均発熱量は減少しています。この傾向は今後ますます加速すると考えられ、石炭を議論する場合は重さではなく熱量で比較することが重要になっていきます。また、石炭大国の一つインドでは、国内に埋蔵量はあるものの質が悪いため、輸入を余儀なくされているという側面があります。

図4 米国の種類別石炭生産量の推移
(BP統計より筆者作成)

 ただ単純に、「環境に問題はあるが量だけは莫大にある」と考えられてきた石炭ですが、詳しく見ていくと、量・質ともに徐々に問題が顕在化しつつあり、当然ですが石炭もまた永遠の存在ではないということがわかります。

 今回述べてきたことをもって、すぐに石炭の供給が危ぶまれるということにはなりません。確かに埋蔵量は膨大にあり、新しい開発が多くなされています。しかし、次に重要なのは埋蔵量は存在してもその入手に問題がある場合です。輸入石炭に依存する日本にとっての問題はここにあります。次回は石炭の入手に関する問題を取り上げたいと思います。

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