スマートシティ 関連コラム

2012年10月25日

【決め手は位置情報】
[運ぶ]速度超過の件数がゼロに

河合 基伸、高橋 史忠=日経エレクトロニクス、Phil Keys=シリコンバレー支局
出典:日経エレクトロニクス 2011年3月7日号
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 運転士支援システムの端末の価格は50万~60万円。金型の費用やGPSの受信感度を高めるための雑音対策といった特殊仕様のために、民生機器に比べて高価になっている。同社は将来の低コスト化に向けて、スマートフォンなどの民生機器の調査を始めたところである。測位性能や信頼性などの条件を満たせば、民生機器やそれ用の部品の採用も検討する。

 今後は、測位精度の向上に期待を寄せる。精度が高まれば、例えば列車のドアを間違って開けないように注意を促すといった支援ができるようになる。現在は測位に5m程度の誤差があるため、運転士支援システムではホームの右側と左側のどちらに列車がいるのかや、所定の停車位置からどの程度ずれているのか、といった状況を正確に把握できない。測位精度が高まれば、こうした支援にも使えるようになる。

荷物の輸送状況を確認

 JR貨物の運転支援システム「PRANETS」は、荷主が荷物の輸送状況を確認できるWebサービスと列車位置を連動させている(図2)。荷物を受け取るトラックなどの効率的な配車によって、輸送コストを削減したいという荷主のニーズがあるからだ。

図2 列車の位置を把握
JR貨物は、徐行箇所の予告や速度超過の警告、発車時刻の案内といった運転士の支援の他に、全列車の位置を把握する仕組みも取り入れた。

 携帯電話網で本部の管理サーバーに列車位置を送信し、ほぼリアルタイムにWebサービスの情報を更新している。2010年4月には、宅配大手のヤマト運輸やJR貨物など21社が立ち上げた荷物の輸送状況を閲覧できるWebサービス「鉄道Webサービス」向けにも情報提供を始めるなど、ドア・ツー・ドアでのシームレスな荷物の位置把握に一役買っている。

 PRANETSの本来の目的である運転支援における効果は大きい。2008年度には、徐行速度超過の件数がゼロ件になり、2009年度には発車遅延の件数が導入前の半分以下になった。貨物列車の運行は夜間が多く、しかも乗員は運転士1人。運行や操作のミスが生じやすい環境下で、リスクを減らす支援システムとして威力を発揮している。

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