Smart City Week 2012 会場速報

2012年10月30日

【SCW2012】太陽光発電の運用・保守軽視による出力低下は事業リスクに直結

 パシフィコ横浜で開催中のSmart City Week 2012(10月29日~11月2日開催)において、「太陽光発電の運用リスクと保守のあり方」と題するセミナーが開かれた。FIT(固定買取制度)で注目を集める太陽光発電システムの保守・運用をテーマに、最適化に向けた技術ノウハウなどが語られた。

 太陽光発電は、複雑な駆動構造がない発電だ。そのため設置後のメンテナンスに、なかなか目が向きづらく、太陽光発電の出力低下は検出しにくいとされる。売電事業においては,出力の低下が事業リスクに直結することなどから、太陽光発電システムの運用や保守の巧拙が問われる時期を迎えているという。

 セミナーでは、そんな太陽光発電システムの運用管理システム/サービスについて、日本気象協会の板垣昭彦 事業本部 環境事業部 技師と、オムロンフィールドエンジニアリングの清水孝信 環境事業部環境設計部部長、安川電機の櫛原俊明 応用技術担当部長の3氏が登壇した。

 日本気象協会の板垣氏は、「太陽光発電を見守る番犬『PV-DOG』の紹介」と題して、2012年6月に発表した「PV-DOG」を紹介した。板垣氏は、「住宅の屋根に日照計を設置するといった手法は,一般ユーザーにとって現実的でない。住宅用の太陽光発電システムの発電状況を簡単に診断できる手法が必要だ」と語った。

 PV-DOGは、太陽光発電システムを設置した住宅における発電の実績と、アメダスによるその住宅近辺の気象データから推定・期待できる発電量を比較することで、太陽光発電設備が正常に稼働しているかを診断する仕組みである。

 ただ課題の一つとして、豪雪地帯での運用を挙げた。冬季に限り、期待できる発電量と実際の発電量に大きく差が生じるという。冬季の太陽の角度と周囲の建物との関連や、太陽電池が雪で覆われてしまい発電できないといった地域独特の状況が想定できるためだ。


セミナーの最初に登壇した日本気象協会の板垣昭彦 事業本部 環境事業部 技師

 オムロンフィールドエンジニアリングの清水氏は、「全量買取制度に対応 太陽光発電システム見守りサービスについて」と題し講演し、実証実験において一定の比率で故障などが発生していることを指摘した。清水氏は、「太陽光発電システムがメンテナンスフリーとされるのは誤解だ」と強調。同社が展開する遠隔監視と同社グループの全国140拠点の保守網によって、大規模な太陽光発電システムを安定的に運用するための支援策を紹介した。

 安川電機の櫛原氏は、「太陽光発電のリスクを低減する分散発電・監視の提案」と題した講演で、小型のパワーコンディショナーを大規模な太陽光発電所に適用することで、20年間の安定的な発電を実現する仕組みを紹介した。パワーコンディショナーを集中型ではなく分散させていることで、全体の平均発電量との差から太陽電池の表面の汚れなどによる発電量の低下などの検知が容易になるといった利点もあるとする。

 この後、三井住友海上火災保険の伊東祐次 商品本部 火災新種保険部 執行役員が太陽光発電事業者を取り巻くリスクとその対策について講演。最後に登壇したネクストエナジー・アンド・リソースの伊藤 敦 代表取締役は、太陽光発電システムのインテグレータの立場から、費用対効果の高いメンテナンスサービスのあり方を語った。

(加藤 伸一=ジャーナリスト)

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