ゲーム業界の海外ビジネス虎の穴

第2回 TGSの会期中に、たくさんの商談をこなすための秘訣とは!?

東京ゲームショウ2014において、効果的な商談を設定する方法や商談の時間配分から、トラブルシューティングまで、いろいろなシチュエーションについて解説します。

TGS2014での効果的な商談設定方法
TGS2014のビジネスデイ2日間が商談の核となりますが、一般公開日の2日間であっても十分商談をする機会はあります。なので、ビジネスデイに会うべき相手、一般公開日に会う相手をあらかじめ決めておく必要があります。
特に大手のパブリッシャーやプラットフォーマーは、ビジネスデイしか商談のチャンスはないと考えてください。また、たった1日しか商談をしない大手は少なくありませんし、TGSに来場せず、別の場所で商談する企業も確かに存在しています。これは、TGSに限ったことではなく、世界中の他のゲームイベントでも同じことが言えます。また、TGS会期前に商談する企業も多いので、ビジネスデイ2日間に商談が成立しなかった場合、その直前の日程で打診することも考えてみてはいかがでしょうか。
大手のゲーム会社とはビジネスデイでの商談、中小のゲーム会社とは一般公開日に商談するという考え方は決して間違っていません。大手ゲーム会社の担当者は、世界中の企業から商談依頼を受けることが多いので、マッチングが成立する企業を厳選する傾向があります。結果、自社との商談が成立しないことがあり得ます。その場合、TGS関連のパーティなどで積極的に名刺交換し、TGS会期終了後にフォローアップするという対応も頭に入れておきましょう。
TGS期間内に数多くの企業と商談するために、少なくとも2チームで別々に商談を設定していくもの効果的です。商談の設定は2~3週間前からが勝負です。これからでもあきらめずに商談成立に向けて、アプローチを強化してください。
商談準備で重要なのは、自社の「売り」
商談前に準備しておくことで重要なのが、「自社の売りは何にするか」と「実ビジネスとして何をしたいか」という2点にあると思います。何でもできますというセールスポイントや、自社の強みがぼやけたままだと、どんな商談メールを書いても、相手に伝わりません。また、そういう状態のまま、いざ商談に臨んでも、説明不足、消化不足のまま時間が過ぎ、その結果有効な商談に繋がらないケースが発生します。
そこで、TGS2014では、何を訴求するか十分に考えた上で、事前に用意する資料の量を減らす代わりに、内容をブラッシュアップすることが、質の高い商談につながります。もし、訴求するポイントが複数あったとしても、余計な情報をそぎ落とすなどして、簡潔な資料作りに専念しましょう。
商談での時間配分について
TGS2014のビジネスデイでは、移動も含めて30分間が一つの目安となります。ブース間の移動などに5分間程度が必要とするならば、実質15~20分間の商談時間しかありません。そういう時間制限の中で、ディールを締結、完結させるのは不可能です。だからこそ、商談自体はテキパキと時間管理をして、最低限ここまでは商談を進めておきたい、という段取りを決めておきましょう。
特に最初の商談には、以下のポイントが必要です。
という、上記の項目で30分間の商談が終了します。自社には売るべき技術などがあり、明確なビジネスビジョンがあり、商談企業と前向きにビジネスを考えているかを理解してもらえることが、商談会で成功する秘訣です。
商談場所に関して
幕張メッセ国際会議場内にある、TGS2014のビジネスミーティングエリアが基本となります。出展社の方々なら、アポイントメントシステム上で、無料で使える商談テーブルを予約することができます。ただし、数に限りがあるので、自由にいつでも使えるわけではありません。国際会議場内なら、2Fロビーや1Fロビーなどもありますが、やはり数に限りがあります。2チーム以上で商談を設定する場合、国際会議場外でのミーティングも必要になるでしょう。
国際会議場以外の商談場所としては、下記のような場所があります。
などです。
実際に近隣ホテルにあるカフェを1日中使って商談している企業も非常に多いです。また、ホテルの宴会場を商談場所に持っているプラットフォーマー、大手ゲーム会社もあります。ここで、気を付けないといけないのが、移動時間。思った以上に移動に時間がかかるので、商談時間の設定には気をつけましょう。特に重要な商談ならば、移動時間を含めて1時間程度を割いて、商談に臨む必要があります。
商談遅延などのトラブルシューティング
商談をたくさん設定すると発生するのが、遅延した場合のトラブルです。また、後から重要な企業との商談が決まり、リスケジュールが必要な場面は多々あります。そこで、あらかじめ不測の事態を想定した対策を施しておきましょう。
例えば、
などの対応が可能です。貴重な商談機会ですので、無駄なく商談を入れて、効率の良い結果が残せるように最善を尽くす必要があります。
TGS2014周辺で開催されるパーティ
TGS2014のビジネスデイ2日間、みっちりアポイントを入れても、その商談数には限界があります。そこで、商談数を伸ばす方法として、TGS会期前後に開催される各種パーティを有効に活用してみましょう。企業が主催するパーティ、個人が発起人となって開催するパーティなどさまざまですが、積極的にアプローチすることで、商談できなかった企業とも巡り会うことができます。
パーティのシチュエーションは、フランクな雰囲気で話すことができるので、意気投合すればビジネスも前に進みやすくなります。実際、そういう経験が非常に多いので、せっかくの機会を無駄にしないよう、より多くの企業と交流してください。
以上、TGS会期中の商談について、簡単にまとめましたがいかがでしたでしょうか。次回は、TGS2014終了後、商談した企業へのフォローアップや関係継続方法、ビジネスディール締結への方法などについて解説する予定です。お楽しみに。